卵巣癌における深層学習を利用したラジオミックス・ラジオゲノミックス解析について
【研究キーワード】
卵巣癌 / 深層学習 / ラジオミクス / ラジオジェノミクス / 人工知能 / Radiomics / Radiogenomics
【研究成果の概要】
症例数の多い卵巣癌の研究を前に症例数が少なく腫瘍のアノテーションも比較的容易な子宮肉腫において検討を行い、画像判定用の深層学習モデルを作成する予備実験を行った。
3施設共同で、術後病理学的な確定診断を得た子宮肉腫61例(子宮平滑筋肉腫、子宮内膜間質肉腫、未分化子宮内膜肉腫、悪性度不明な子宮平滑筋腫瘍(STUMP)を含む)子宮筋腫200例の術前MRI画像を用いた。T1強調画像・T2強調画像(脂肪抑制条件、造影条件も含む)、拡散強調画像を使用し、深層学習による解析を行った。学習:評価=5:1とした交差検証による深層学習を行い、良性・悪性の鑑別精度を行った。腫瘍部位画像のみの学習および全画像学習、画像種別の組み合わせ学習等、学習・評価方法を検討した。画像種別の平均正答率はT2強調軸位断画像、T2強調矢状断画像、拡散強調画像で最も良好な診断成績で、腫瘍部位画像のみの学習および全画像学習において0.83-0.85であった。画像種別の組み合わせによる評価では、「T2強調軸位断画像+ T2強調矢状断画像+拡散強調画像」の組み合わせの診断成績が最も良好で、正答率0.9023(感度0.897、特異度0.9076)であった。【考察】画像の組み合わせにより診断成績の向上を認めたが、画像種類数に比例した診断成績の向上は認めなかった。T2強調軸位断画像、T2強調矢状断画像、拡散強調画像等上位の成績を示した画像シリーズは相対的に画像数が多く、今後診断精度の向上を図るにあたり、症例数、画像数の増加が必要と考えられたが、卵巣癌診断のAIモデルのために予備実験としては一定の成果を得たと考える。またこの間に卵巣癌の対象症例の画像、臨床情報等を抽出し整理した。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
曾根 献文 | 東京大学 | 医学部附属病院 | 講師 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2021-04-01 - 2024-03-31
【配分額】4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)