カルシウムイオンの細胞内動態に関する発生、生理学的研究
【研究分野】動物発生・生理学
【研究キーワード】
カルシウムイオン / 受精 / アメ-バ運動 / ウニ卵 / メダカ卵 / ハムスタ-卵 / ニュ-ロン / カルシウム イオン / カルシウム / エクオリン / アメーバ運動 / 原形質流動 / Fura2
【研究成果の概要】
卵細胞の成熟、受精、卵割、アメ-バ運動、原形質流動、神経細胞の興奮などにおける細胞内カルシウムイオンの役割について次のような研究を行った。1.ヒトデの卵母細胞の成熟にともなって細胞内カルシウムイオン濃度の一過性の増大がある。2.蛍光性カルシウム指示薬を注入したウニ卵を蛍光顕微鏡観察を併用できる微分干渉顕微漏を使って観察し、精子の卵表面接着、表層位崩壊、受精膜形成などの形態的変化と卵内カルシウム濃度の場所的、時間的変化の関係を明らかにした。3.ATPの添加によってカルシウムイオンを取り込みイノシト-ルミリン酸(IP_3)によりカルシウムイオンを遊離する膜分画をウニ卵から調整し、これを脂質平面膜に融合させてCa^<2+>、K^+、cl^-などのイオンチャンネルが存在することを確かめた。4.イモリ卵の受精にともなう卵内カルシウムイオンの一過性の増加をエクオリンの発光によって明らかにした。5.ハムスタ-卵の受精において卵表面のGTP結合蛋白の活性化、IP_3の産生、IP_3によるカルシウムイオンの遊離がおこること、プロティンキナ-ゼCの活性化はこの糸に対して方がティブフィ-ドバックとしてはたらくことを明らかにした。6.メダカ卵で受精の際の精子の卵表面への接着から表層胞の崩壊に至るさまざまな経時的変化と卵内カルシウムイオンの関係を明らかにした。7.アフリカツメガエルの卵割にともなって卵内カルシウムイオン濃度が周期的に変化し、濃度は分裂中期に最大に、静止期に最小になることがわかった。8.アメ-バの細胞内カルシウムイオンの分布を測定し、進行方向後部のゲル→ゾル変換部でカルシウムイオンが遊離されることを明らかにした。9.蛍光色素を使った細胞内カルシウムイオン濃度分布を測定する新しい方法を開発し、それを使って神経細胞内やシナプスにおける興奮にともなうカルシウムイオン濃度の上昇を測定した。
【研究代表者】