大脳白質障害に対する再生医療実現のための基盤研究
【研究分野】脳神経外科学
【研究キーワード】
再生医療 / 大脳白質障害 / 骨髄由来間葉系幹細胞 / 加工幹細胞SB623 / 二重盲検比較対照第II相試験 / 全脳虚血モデル / BDNFmRNA / mRNA delivery / 脳梗塞 / ドラッグデリバリー / BDNF mRNA / 膿保護作用 / 脳梗塞実験モデル / ラット前脳虚血 / 細胞移植 / 白質障害モデル / ヒト骨髄由来細胞 / ヒト由来神経栄養因子 / ドラッグデリバリーシステム / ラット / 大脳白質梗塞 / 内包 / エンドセリン / 定位脳手術 / 再現性 / ネットワーク / 運動機能 / 白質障害 / 細胞移植治療 / 再生 / エクソソーム
【研究成果の概要】
(A)細胞(細胞医薬品)移植と(B)ドラッグデリバリーシステム(DDS) によるmRNA遺伝子治療を、動物実験モデルで検証した。(A)SB623細胞は、ヒト骨髄由来である加工幹細胞である (サンバイオ社)。事情により、用いることができず、動物研究は断念したが、SB623細胞による外傷性脳損傷に起因する慢性運動障害患者に対する二重盲検比較対照第II相試験に、施設責任者として参加した。運動機能の改善に関して有効性を示した。(B)DDSを用いてBDNF(脳由来神経栄養因子)mRNAをラット前脳虚血モデルに投与した。BDNF mRNAを虚血後2日目に脳室内投与した群で50%以上の細胞生存を認めた。
【研究の社会的意義】
動物実験を用いての、SB623細胞移植による機能改善の機序の解明を行うことを目的としたが、その基礎研究は実行できなかった。一方で、国際共同治験に施設責任者として参画して、実際にSB623細胞をヒトの脳内に移植するという極めて貴重な経験をすることができた。主要評価項目である運動機能の改善に関しての有効性を科学的に示した。機序に関しては今後の基礎研究とサブ解析に任せるところが大きいが、本邦の再生治療の実用化に向けて加速させる一助になった。
動物研究では、ナノ・ドラッグデリバリーシステム による中枢神経系へのBDNF mRNA遺伝子の導入の可能性を示し、薬剤送達の困難さを克服する可能性を示した。
【研究代表者】