低線量照射における放射線超感受性を用いた低侵襲がん治療戦略の開発-膠芽腫での検討
【研究分野】放射線科学
【研究キーワード】
Glioma / 放射線感受性 / 細胞周期 / 放射線生物学 / DNA損傷 / 膠芽腫 / 低線量照射 / グリオーマ / 放射線低線量照射
【研究成果の概要】
難治性の悪性腫瘍である膠芽腫に対する治療法として低線量照射における放射線超感受性に着眼した。膠芽腫細胞に対する低線量照射のインターバルとして30分間隔が反応良好であった。その原因として照射後の細胞周期を経時的に観察したところ、約5時間程度で変化が著明であった。反復照射中に放射線感受性の高い細胞周期への移動を生じていることが反応良好である理由であり、反復照射が有効な治療法と結論付けた。
【研究の社会的意義】
膠芽腫が治療抵抗性であることから放射線超感受性に着目した抗腫瘍効果の増強を探索する試みは重要と考える。また再発時に再度放射線療法が期待されることから低線量放射線照射に関する研究は重要である。放射線増感剤の探索、遺伝子解析を用いた放射線超感受性の機序解明を進めることで、放射線生物学的にも重要な研究と考えている。
本研究を発展させ、臨床応用可能な低線量反復照射を提案できれば、照射線量を低減した治療が実現可能となる。これは、正常組織の有害事象低減のみならず、患者さん、医療従事者の負担軽減にもつながり、難治性とされてきた膠芽腫に対する新しい治療戦略を提示する意義深い研究であると考えている。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
公田 龍一 | 慶應義塾大学 | 医学部(信濃町) | 助教 | (Kakenデータベース) |
小池 直義 | 慶應義塾大学 | 医学部(信濃町) | 助教 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2017-04-01 - 2020-03-31
【配分額】4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)