消化管用デジタル・ラジオグラフィの装置および通信処理ソフトの臨床的開発
【研究分野】放射線科学
【研究キーワード】
消化管X線診断 / デジタル・ラジオグラフィ / イメージ・インテンシファイス / 画像処理 / CCD.DR / 空間周波数強調 / 画像解 / 4M-DR / デシタル・ラジオグラフィ / イメージ・インテンシファイア / CCD・DR / 画像解析 / イメージ・インテシファイア / 空間周波数性調
【研究成果の概要】
1. 消化管に適した画像処理法として、早期胃癌のような微細病変の描出には周波数151p/cmを中心に3.0倍前後の強調、補正係数は最もノイズを減らすものが有用であり、階調特性曲線は病変の種類によって数種類を使い分けるのがよいと考えられた。
2. 装置については、管球焦点と管球容量をどのように設定していくかが問題と考えられた。散乱線除去グリッドは、低グリッド比で撮影線量を増やしてS/N比を向上させるか、高グリッド比で散乱線を除去しコントラストを向上させるかが今後の検討課題と考えられた。
3. IM-DRはノイズが多く、空間分解能も劣っているために画像収集のアルゴリズムや画像処理方法を改良してもCFSS画像に比べて微細所見の描出は劣っているが、4M-DRはノイズが少なく、CFSS画像よりも鮮鋭な画像が得られた。
4. DR用の消化管スクリーニング検査法は、上部食道では秒間6枚以上、中下部では秒間3枚の連続撮影が有効であった。胃や大腸では大口径イメージ・インテンシファイアで全体像を撮影し、その画像を観察して病変を探すことで無駄な患者への被曝は減少し、また細部については5〜7インチの視野で撮影すると高解像度の画像が得られ、また撮影条件も安定することがわかった。
5. 心拍動との同期については、心拍動のモニターを開発したが、心拍動のサンプリングが今後の課題と考えられた。
6. DRで撮影した消化管の微細病変のX線像と病理組織像との対比。
(1)DRでは胃小区がCFSSよりも明瞭に描出され画像解析によって胃炎像のパターン化が可能と考えられる。(2)早期胃癌の表面像の描出ではCFSS画像に比べてDR画像は微細所見(0.3mm以下の陰影)の描出性が劣っており、IM-DRでは表面平坦型(IIb型)の診断は難しい。(3)早期食道癌の表面性状描出ではDRはCFSSに劣っていたが、辺縁像についてはDRのほうが明瞭であった。(4)表面型大腸腫瘍は表面や輪郭の性状からX線で過形成性ポリープと腫瘍(腺腫および早期癌)が可能と考えられ、DRはそれらを現すのに有用であった。
7. 4M-DR装置を開発し、臨床的な検討を開始した。
【研究代表者】