超選択的副腎静脈支脈採血の普及・成功率上昇のための深層学習を用いた新規AI開発
【研究キーワード】
原発性アルドステロン症 / 副腎静脈採血 / 深層学習 / 人工知能
【研究成果の概要】
原発性アルドステロン症は代表的な二次性高血圧症であり、副腎静脈サンプリングはその治療方針決定において不可欠な検査である。昨今では超選択的な区域別副腎静脈支脈採血によってアルドステロン産生腺腫の局在を明らかにすることにより、副腎部分切除術による機能温存が可能な場合がある。しかし、副腎静脈サンプリングは難易度が高く、また区域別副腎静脈支脈採血は一般的に普及しているとは言い難い。本研究では術前造影CTから右副腎静脈同定、カテーテル選定を行う人工知能モデルを開発することにより、超選択的副腎静脈支脈採血の普及・成功率上昇に寄与し、多数の患者に対してより適切な医療を選択することを広く可能とすることを目的とする。本年度は術前造影CTから右副腎静脈同定を行う人工知能モデルを開発するために必要な教師モデルを作成するため、2013年4月から2021年3月に施行された副腎静脈サンプリング 392例を対象として、必要な画像データの揃っている症例を検討した。その結果、術前多相造影CTがないことやCone-beam CT撮像不可という理由により23例(術前多相造影CTなし9例、Cone-beam CT撮像不可 14例)が除外され、369例が抽出された。これらの症例を対象として、副腎静脈サンプリングおよび副腎の画像診断に精通する放射線診断専門医2名により、術前造影CTにおいて、術中Cone-beam CTを参照基準として右副腎静脈を同定し、教師データを作成途中である。
【研究代表者】
【研究種目】若手研究
【研究期間】2021-04-01 - 2024-03-31
【配分額】4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)