血管炎症を標的とした新しいフレイルの病態解明
【研究キーワード】
血管炎症 / フレイル / 階層構造 / 老化 / 大動脈瘤 / サルコペニア / 慢性炎症 / 認知症
【研究成果の概要】
加齢に伴うフレイルの発症には慢性炎症を軸とした階層構造が想定される。本研究では血管を上流として、血管細胞死が主導する炎症機序解明から下流臓器への炎症波及・拡大機序を明らかにすることを目的とする。研究成果として、血管平滑筋細胞のアポトーシスがIL-1などの炎症性因子の発現上昇と関係すること、さらに血管炎症が主体の大動脈瘤モデルでは高リン負荷、性ホルモン低下などの老化促進要因が、アポトーシスおよび炎症を誘導し、病態を悪化させることが分かった。さらに、血管炎症から海馬での活性マイクログリアの増加や骨格筋での筋重量の低下、骨密度の低下傾向の結果は、血管を上流としたフレイル病態進行の構造を明らかにした。
【研究の社会的意義】
老化基盤である慢性炎症からフレイル病態機序を明らかにすることは、フレイル予防・診断及び治療の戦略策に一助となる。
【研究代表者】