脳構造と脳機能から精神疾患を再分類する取り組み:5カ国国際共同研究
【研究キーワード】
精神疾患 / バイオタイプ / 脳構造 / 脳機能 / 国際共同研究
【研究成果の概要】
本国際協同研究は、精神疾患の共通性/異種性バイオタイプ開発を視野に入れた、アジア発の精神疾患の脳構造(ACMP)および脳機能(ACEP)研究の拠点構築を目標とする。本研究により『脳構造と脳機能から精神疾患を再定義』することで、精神疾患全体の本質的な理解と治療法の再構築を目指す。参画施設が大学病院であるため、今年度もCOVID-19感染拡大による多大な影響を受けたが、各々の指針に従いながら、随時実験を再開し、WEB会議やWEB上でのデータ収集とその解析を行うことで、ある程度予定していた研究を進めることができた。各自の実績は以下の通り。
<平野>海外の脳波関連の共同研究施設とはWEB会議で連携しつつ、臨床脳波を用いた国内の共同研究(7施設)に関する統括およびデータ収集、解析パイプラインの構築を完成させた。また、本研究に関わる論文15本を国際専門誌に投稿し受理された。
<小池>ACMPはアジア諸国との共同研究であるためCOVID-19により遅延しているが、ようやく参画7施設の脳構造データと臨床データを取りまとめ、現在前処理を一括して行っている。2022年度にデータ配布を開始する予定である。また、WEBシンポジウム等積極的に行い、本研究に関わる論文20本を国際専門誌に投稿し受理された。
<中島>ACEPにおいて、90名の被験者のデータの収集を行い、解析パイプラインの構築を確立し、最終解析を終えた。治療抵抗性統合失調症におけるASSRの異常を明らかにし、発表のために執筆の段階に進んでいる。また、本研究に関わる論文26本を国際専門誌に投稿し受理された。
<笹林>ACMP内の2つの研究計画に関する臨床データを各参画施設から収集し、データの統合を行った。今年度より自施設もACEPに参画し、データの収集と解析パイプラインの構築を開始した。また、本研究に関わる論文13本を国際専門誌に投稿し受理された。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
小池 進介 | 東京大学 | 大学院総合文化研究科 | 准教授 | (Kakenデータベース) |
中島 振一郎 | 慶應義塾大学 | 医学部(信濃町) | 講師 | (Kakenデータベース) |
笹林 大樹 | 富山大学 | 学術研究部医学系 | 助教 | (Kakenデータベース) |
|
【研究種目】国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
【研究期間】2020-10-27 - 2025-03-31
【配分額】18,850千円 (直接経費: 14,500千円、間接経費: 4,350千円)