慢性心不全の骨格筋萎縮治療を見据えた炎症制御機構の解明
【研究分野】応用健康科学
【研究キーワード】
筋萎縮 / 酸化ストレス / NADPH oxidase / アンジオテンシンII / 心不全 / 骨格筋 / 活性酸素種 / NADPH Oxidase / 炎症 / NADPH oxidase 4 / 骨格筋萎縮 / ミトコンドリア
【研究成果の概要】
本研究では, アンジオテンシンII(AII)誘発性の筋萎縮におけるNADPH Oxidase (NOX4) の役割を検討した.
B6マウスおよびNOX4欠損 (KO) マウス用い, 生理食塩水 (WTV) およびAII (WTA) を4週間投与したところ、体重, 筋重量, 筋横断面積はWTV群に比較しWTA群で有意に低下した. その結果に一致し, 有意なタンパク分解亢進および合成低下が観られた. さらに核内Nrf2低下と下流因子も有意に低下した. これらの変化は, KOマウス (KOA) で有意に改善した。これらのことから, NOX4によるNrf2制御が筋萎縮を調節する可能性が示唆された.
【研究の社会的意義】
これまで、NOX4由来のROSは肺疾患および腎疾患の病態発症・進展における役割が示されてきたが、心不全による骨格筋萎縮におけるNOX4およびNrf2の役割は明らかではなかった。本研究では、NOX4欠損マウスを用いることにより、心不全における骨格筋萎縮に対するNOX4およびNrf2の役割が明らかとなる。NOX4由来のROSによるNrf2低下が、心不全における骨格筋萎縮に関与する可能性に着目した研究は、国内外では取り組みがない。したがって、骨格筋におけるNOX4由来のROS適正化は、心不全における骨格筋萎縮の治療の可能性を模索するものである。
【研究代表者】
【研究種目】若手研究(B)
【研究期間】2016-04-01 - 2019-03-31
【配分額】3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)