細胞内カルシウム動態制御による渦巻き型旋回興奮の成立・分裂の抑制
【研究分野】循環器内科学
【研究キーワード】
不整脈 / 活動電位 / 細胞内カルシウム動態 / 光学マッピング / リエントリー / 電気生理学 / 致死性不整脈 / 蛍光プローブ / カルシウム / 蛍光色素
【研究成果の概要】
近年、心室細動・頻拍など致死性不整脈の発生メカニズムである渦巻き型旋回興奮(スパイラル・リエントリー)の発生に、心筋細胞内Ca^<2+>動態の変化が重要な役割を果たすことが、主にシミュレーション研究の結果から示唆されている。本研究の目的は、2種類の蛍光プローブ(RH-237とRhod-2)を用いて、心筋細胞の活動電位と細胞内Ca^<2+>動態を同時にマッピングすることができるシステムを新たに開発し、細胞内Ca^<2+>動態が心臓におけるスパイラル・リエントリーの成立・維持に果たす役割について検討することである。膜電位と細胞内Ca^<2+>同時マッピング装置としては、それぞれの蛍光プローブのシグナルをdicrotic mirrorで分離し、2台の高速度CMOSビデオカメラでそれぞれの画像を撮影する装置と、励起光源の発光ダイオード(LED)と回転式光学フィルターを高速で切り替えて、膜電位と細胞内Ca^<2+>蛍光画像を1台の高速度ビデオカメラで撮影する装置を試作した。ウサギ摘出灌流心臓を用いた実験では、両システムともに心室筋における活動電位と細胞内Ca^<2+>を同時にマッピングすることが可能であった。しかし、前者では2台のカメラで撮影された電位とCa^<2+>画像を重ね合わせる技術について、後者では主に時間分解能(20フレーム/秒)に点において、さらに改善する余地が残されている。
【研究代表者】