エピゲノムによる老化制御機構の解明と筋再生モデル
【研究分野】応用健康科学
【研究キーワード】
老化 / エピゲノム / DNA損傷 / 筋肉 / サルコペニア / FOXO1 / CTCF / ヒストン修飾 / 再生医療
【研究成果の概要】
DNA損傷によるエピゲノム変化と老化誘導が可能なICE(Induced Changes in Epigenome)マウスでは3週間のDNA損傷誘導によって老化が加速され、筋力が低下する。網羅的遺伝子解析によってRPS28, RPS24などリボソーム遺伝子、ATP5k, Ndufa8, COX8などOXPHOS遺伝子、筋肉ミオシン遺伝子であるMyh7, Myh9遺伝子などが変化している。またこれらの遺伝子領域におけるH3K4me1やH4K20me1のヒストン修飾がICEマウス筋肉組織において変化しており、LSD1やSETD8といったエピゲノム因子の関与と筋組織機能制御の可能性が示されている。
【研究の社会的意義】
老化に伴ってDNA損傷の蓄積やエピゲノム変化が報告されており、DNA損傷による老化や老化関連疾患誘導の分子機序が着目されてきた。その中で、DNA損傷によってゲノム変異を伴わないエピゲノム変化による老化は、生後生じる老化誘導の分子機序をあきらかにするだけでなく、老化の可逆性を証明することが可能となる。本研究によって、DNA損傷は特異的なエピゲノム変化と遺伝子発現を引き起こすことで、老化速度を変化させることをあきらかにした。今後、代謝やタンパク質合成を含めた制御を介してエピゲノムを標的としたサルコペニア創薬の基盤となる。
【研究代表者】
【研究種目】若手研究(B)
【研究期間】2017-04-01 - 2019-03-31
【配分額】4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)