男性間性交渉による流行が疑われるPVL産生市中感染型MRSAの分子疫学解析
【研究キーワード】
市中感染型MRSA / 分子疫学解析 / 性感染症 / ゲノム解析 / MRSA / 分子疫学研究 / MSM / 皮膚感染症
【研究成果の概要】
USA300株はPanton-Valentin leucocidin (PVL)毒素を産生する強毒なmethicillin resistant Staphylococcus aureus (MRSA)で、市中感染型MRSAとして米国を中 心として流行している。HIV感染や男性と性交渉のある男性 (Men who have sex with men: MSM)はUSA300株の保菌リスクとされる。
本邦におけるUSA300株は極め て稀であったが、近年HIV患者において報告数が増加しており、保菌率の調査とリスク因子の解析を目的とした。2019年12月から2020年3月の間に当院を受診した HIV感染者に対して、PVL遺伝子がPCRにより、鼻腔のMRSA保菌調査を行い、分子疫学的に背景因子を解析した。PVL遺伝子が検出されたものを分離し、全ゲノム解析を行い報告した。これらの成果は J Infect Dis. 24;223(4):610-620. (2021)に責任著者として発表している。
さらに今年度は血液培養ボトル内の細菌の16sリボゾームのアンプリコンを解析を行った。HIV感染者における、血液培養ボトルや、血液検体を用いて直接メタ16sのアンプリコン解析を行い、細菌のトランスロケーション等を評価することを目的とするものである。これまで、血液疾患による免疫不全者の血液培養ボトルで陰性であったものを用いて、予備的な実験を行ったが、多くの場合、菌血症を反映しているのかどうか判別できなかった。今後は、MRSA等が分離されたものを用いた解析に切り替えていく予定である。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
城戸 康年 | 大阪市立大学 | 大学院医学研究科 | 准教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2020-04-01 - 2023-03-31
【配分額】4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)