深層学習、シミュレーション、統計モデルを融合した人工股関節手術の意思決定支援
【研究キーワード】
人工知能 / 自動手術計画 / 手術シミュレーション / 深層学習 / 人工関節 / 筋肉セグメンテーション / 筋萎縮 / 筋変性 / 関節可動域 / 骨密度 / 金属アーチファクト削減
【研究成果の概要】
1.過去症例DBについて以下を進めた。 (1)臨床情報DBについて、インプラント機種別の整備を行った。(2)解剖情報DBについて、学習(正解)データ拡充に向けて、筋肉自動認識結果を修正することで大幅に正解データ作成時間の短縮が行えることを確認し、100例以上の正解データ追加の見通しを得た。
2. 患者解剖の自動認識ツールについて以下を進めた。(1)術前CT画像からの筋骨格認識を「骨盤から膝まで」を「下肢全体」へ拡張するための予備実験を行った。(2)術前CT画像から、骨密度測定用ファントムの自動認識・キャリブレーションにより骨密度分布推定の精密化を図った。(3)術前CT画像の不確実性推定の実用的利用の評価を行った。(4)術後CT画像からの人工関節の認識およびその検証を行った。(5) 2次元X線画像からの筋骨格3次元復元の一部として、各骨格・筋肉の分離法の検証を行った。
3. 疾患モデル構築について、100例以上の患者CT画像の自動認識を行い、各筋肉の萎縮・変性について評価した。筋肉の自動認識結果を評価し、疾患モデル構築のために自動認識結果をそのまま用いると、認識誤差のため、疾患状態が十分に反映されないことが想定されたため、自動認識結果をマニュアルで修正した後、構築することとした。
4. 手術モデル構築について、関節可動域計測ツールの開発を完了した。術後CT画像から自動認識した骨格モデル上に立案した人工関節設置計画に対して、複数の関節運動を想定して可動域を推定した。どの運動においても、マニュアルで作成した骨格モデルとほぼ同等に、可動域推定が行えることを確認した。
5. 意思決定支援について、術前の筋肉評価(疾患状態評価)から、術後の運動機能が予測できる可能性(手術時期の決定支援等、手術の意思決定に利用できる可能性)を検討した。
【研究代表者】