がん患者の希望・心理情報取得を目指した電子的階層化アンケートシステムの構築
【研究分野】医療社会学
【研究キーワード】
QOL / 電子的アンケートシステム / がん患者の心理状況 / 癌患者の心理状況
【研究成果の概要】
従来使用されてきたQOLアンケートの内容の比較検討を行い、現在国際的にも広く用いられている調査票の一つであるEORTC QLQ-C30日本語版と、日本独自のQOL評価を目指した栗原班QOL調査票(QOL-ACD)とをもとにして、日本人の特性にあっており、自然な日本語によると考えられる質問項目37問からなるアンケートを作成した。しかし、その後さらに検討を重ねた結果、QOL-ACDは、その開発過程が権威ある欧米誌に発表されているものの、元来日本のがん患者用に開発されたこともあり、国際的には十分な評価が得られないことが考えられたため、QLQ-C30と並んで国際的に広く用いられている調査票であるFACTの日本語版を質問項目として採用することとした。
同時に、タッチパネル式のパソコン上で使用できる、リレーショナルデータベースソフト(ファイルメーカPro)を用いたアンケート用データベースを開発した。このシステムはマンマシーンシンターフェース性が非常に高く、患者さんが医療関係者の補助なしに使用可能なものである。また、質問は順番の固定を避けて、毎回違う順番で出てくるようにランダム化を行った。さらに、回答内容はそのままデータベースに記録され、データベースに入力し直す手間と誤入力の危険性をなくした。このシステムを用いて、実際に患者さんにQOL調査に参加してもらい、本システムの試験運用および機能評価を行いながら、改良を重ねた。現在は、当科が中心となって運用を行っている緩和ケア病床におけるQOL評価ツールとして運用を行っている。また、末期がん患者におけるサイトカインとQOLとの関係の解析や、当科において独自に開発したQOLを客観的に評価する指標であるTFAT(Todai Functional Assessment Tool)の妥当性および信頼性の評価のためにも、このシステムを活用している。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
久田 満 | 東京女子医科大学 | 看護学部 | 助教授 |
中川 恵一 | 東京大学 | 医学部・附属病院 | 講師 | (Kakenデータベース) |
青木 幸昌 | 東京大学 | 医学部・附属病院 | 助教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2000 - 2001
【配分額】3,400千円 (直接経費: 3,400千円)