消費者行動理論を考慮した消費者の動的選択行動に関する研究
【研究分野】商学
【研究キーワード】
購買意思決定 / 消費者選択モデル / 学習モデル / 先見的消費者行動 / ヒューリスティクス / 商学 / マーケティング / 消費者行動 / 動的選択モデル
【研究成果の概要】
本研究は、消費者による学習と先見的行動が選択行動に与える影響を明らかにするために、消費者行動理論を考慮した動的選択行動モデルを構築し、さらにこのモデルを用いて実証分析を行うものである。本研究では評価時点でのヒューリスティクスを考慮した先見的消費者行動モデルの構築、学習による評価ウエイト自体の変化を考慮した動的選択モデルの構築、動的選択行動モデルを用いたマーケティング戦略評価方法の開発、の3点を行う。
令和3年度は、前年度から継続している動的な消費者行動モデルの構築と実証分析を進めた。この研究では、複数サービスを異なる間隔で繰り返し利用する消費者の選択行動について、消費者行動理論をもとにした動的選択モデルを構築し、推定方法の提案と実証分析を行うものである。研究では、これまでのモデル化における統計理論上の問題について検討を行い、その問題の解決の方向性を明らかにした。またデータから統計モデルの推計を行うための計算方法についての開発を進めた。
次に、前年度から継続している評価時点でのヒューリスティクスを考慮した先見的消費者行動に関するモデル化に取り組んだ。まず複数の選択肢がある対象から複数選択を行う行動について、モデルの数学的妥当性についての検討を行うことで、データから統計モデルの推定を行うための理論的な補強を行った。また、ミクロ経済学的消費者行動にもとづいた選択対象のコストを考慮する選択モデルを利用して、消費者の購買行動を記録したパネルデータから、消費者の選択対象のコストの推定を行った。さらに、これらの方法を統合することで消費者のヒューリスティクスを考慮した先見的消費者行動のモデル化を行うことを検討した。
【研究代表者】
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2017-04-01 - 2023-03-31
【配分額】3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)