試行錯誤を伴わないRNA-蛋白質複合体のクライオ電子顕微鏡構造解析手法の開発
【研究キーワード】
RNA-タンパク質複合体 / クライオ電顕 / 構造解析 / RNA / タンパク質
【研究成果の概要】
RNAは多岐にわたる重要な役割を担う生体高分子化合物である。多くの場合、RNAはパートナー蛋白質と複合体を形成することにより複雑な生体反応を実現している。そのため、RNAの機能を理解するにはRNAと蛋白質の複合体の構造を原子レベルで明らかにすることが鍵となる。本研究では、RNA配列をリボソームRNAに挿入して表面に露出させ、ここに結合するタンパク質を結合させることにより、「RNA-蛋白質複合体」をリボソーム表面に形成させ、これを丸ごと構造解析する技術を開発することにより、RNA科学の研究領域を加速することをめざす。2021年度は、立体構造に基づきリボソーム上のRNAの挿入部位を検討し、5箇所のRNAループ領域を選出した。さらに、これらの部位に目的のRNA配列を挿入した変異リボソームを作成した。リボソームRNA遺伝子の欠損大腸菌に任意の配列のリボソーム遺伝子を乗せたプラスミドを導入し、これを培養することで変異リボソームを調製した。いずれの設計においても良好に大腸菌は生育し、設計に問題がなかったことが確認できた。また、挿入したRNAに結合するタンパク質を調製した。大腸菌発現系を用いて、3種類のタンパク質を可溶性分子として大量発現させた。2つのタンパク質については良好に発現したが、一つについては発現量が少なく、また、大腸菌内のRNAと強く結合しており、十分な量の試料を得ることができなかった。今後、試料調製法を検討する必要がある。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
横山 武司 | 東北大学 | 生命科学研究科 | 助教 | (Kakenデータベース) |
長尾 翌手可 | 東京大学 | 大学院工学系研究科(工学部) | 助教 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】挑戦的研究(萌芽)
【研究期間】2021-07-09 - 2023-03-31
【配分額】6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)