アウグスト強王コレクションにおける18世紀前期輸出磁器と「日本宮」の日本表象研究
【研究キーワード】
陶磁史 / 工芸史 / 考古学 / 美術史 / 文化財科学 / 東西交流 / 国際交流 / 国際共同研究 / 保存科学 / 修復
【研究成果の概要】
1.日本磁器の悉皆調査とリスト化:アウグスト強王旧蔵の日本磁器のうち、積み残し課題である未調査分約450点を対象に、8月、2月に調査を実施した(櫻庭・大橋康二)。約1250点の全コレクションの調査をほぼ終え、全容を把握することができた。8月の調査データのDBは完成し、現在は2月の調査データのDBを作成中である。本研究が基盤C(2016~18年度)の先行研究で実施した調査結果は、年度毎に個別のDBとして管理してきた。今回は、全体像の把握を可能とするため、データの不備を修正し、統合した(ドロネー)。
2.アウグスト強王旧蔵18世紀前期輸出磁器の考古学による研究:2020~2021年度に強王旧蔵磁器を有田町の出土陶片と比較する調査を計画している。そのため、2月11日に有田町歴史民俗資料館で科研主催第3回研究会「赤絵町の色絵生産」を開催した(発表:大橋、村上伸之(有田町歴史民俗資料館長)、ヴュルメル(ドレスデン国立美術館)、櫻庭、参加者6名。2月のドレスデン調査で村上氏に赤絵町関係品の概要調査をしていただいた。また、来年度の赤絵町調査の準備として強王旧蔵磁器全点の写真を分類、印刷した。
3.漆塗り装飾磁器の調査と材料分析による研究:4月20日に東京大学で第1回国内研究会を開きドロネー研究室の分析装置を確認した(参加者4名)。8月は漆塗り磁器をドレスデンの修復家と共同調査した(ドロネー、明珍素也他)。現地で収集した紙材料、木片等の光学的手法による観察を行い、材料の同定を行った。8月29日にドレスデン国立美術館で本科研主催第2回研究会「磁器の漆塗り装飾」を開催した(発表:ドロネー、明珍、参加者9名)。
4.アウグスト強王旧蔵品にみる伝統意匠の研究:以下のテーマについて現地で熟覧調査した。金襴手様式磁器(櫻庭)、金彩赤絵等の上絵付磁器(荒川)、初期色絵と単色陶磁等(藤原友子)。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
荒川 正明 | 学習院大学 | 文学部 | 教授 | (Kakenデータベース) |
野上 建紀 | 長崎大学 | 多文化社会学部 | 教授 | (Kakenデータベース) |
J・J Delaunay | 東京大学 | 大学院工学系研究科(工学部) | 准教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2019-04-01 - 2023-03-31
【配分額】12,870千円 (直接経費: 9,900千円、間接経費: 2,970千円)