中枢免疫寛容を維持する自己抗原の発現制御機構の解明
【研究分野】病理病態学、感染・免疫学およびその関連分野
【研究キーワード】
自己免疫寛容 / ストローマ細胞 / クロマチン制御因子 / 転写制御 / 転写制御因子 / エピジェネティックス / クロマチンリモデリング / 次世代シーケンス解析 / Autoimmunity / 自己抗原発現 / 中枢性免疫寛容
【研究成果の概要】
これまでに減数分裂時の精子や脳内の海馬などにおいて、染色体がダイナミックに変化することにより、多様な遺伝子発現が制御されていることが解っている。近年、胸腺の髄質上皮細胞でも、クロマチン状態がダイナミックに変化しており、この細胞集団はからだ中のほぼ全ての遺伝子を抗原として発現させていることが解ってきた。本萌芽的研究費を元に、申請者らは転写制御因子AireとFezf2の上流に位置する重要なクロマチン制御因子Chd4を同定した。胸腺上皮細胞はChd4を用いて、多様な遺伝子を異所的に発現制御されていることが明らかとなった。
【研究の社会的意義】
申請者らが独自に見出した転写因子Fezf2を相互作用する因子をスクリーニングすることでFezf2と相互作用するクロマチン制御因子Chd4を同定した。胸腺上皮細胞はChd4を用いて、多種多様な遺伝子を抗原として異所的に誘導されていることが明らかとなった。Chd4は転写制御因子AireとFezf2の上流に位置する重要な因子であり、胸腺上皮細胞はChd4を用いて、多様な遺伝子を異所的に発現制御されていることが明らかとなり、自己免疫寛容の分子基盤の一端を明らかにした。
【研究代表者】
【研究種目】挑戦的研究(萌芽)
【研究期間】2017-06-30 - 2020-03-31
【配分額】6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)