小腸細菌叢の解析による小腸粘膜障害・潰瘍性疾患発症機序の解明
【研究キーワード】
薬剤性小腸粘膜障害 / 腸内細菌 / Fusobacterium / マウスモデル / 小腸粘膜障害 / Dysbiosis / 幹細胞 / 胃細菌叢 / 小腸細菌叢
【研究成果の概要】
薬剤性小腸粘膜障害の病態解明のために、ヒト小腸検体の小腸細菌叢を解析した。患者から小腸粘膜検体を採取し、16SrRNA解析を施行した。小腸粘膜の細菌量は多く、Proteobacteriaが高率に認められた。これらの研究結果は細菌叢のdysbiosisと小腸粘膜障害の関連を示唆している。さらに小腸粘膜障害を模倣するマウスモデルの構築を行った。野生型マウスにジクロフェナク90mg/kgを腹腔内投与・経口投与を行い、小腸粘膜障害を生じるマウスモデルを構築した。
【研究の社会的意義】
難治性疾患である小腸粘膜障害の病態は十分に解明されていない。近年の腸内細菌の研究により、細菌叢と小腸粘膜障害の関連の可能性が指摘されていた。本研究はその可能性がヒトの小腸粘膜組織においてその意義を検討したものである。本研究結果は、細菌叢のdysbiosisと小腸粘膜障害の関連を支持する有用な結果といえる。さらに、本研究においては、今後これらの病態解明や治療法の開発のために有用となるマウスモデルの構築も行うことができた。
【研究代表者】