荘園絵図の史料学とデジタル画像解析の発展的研究
【研究分野】史学一般
【研究キーワード】
古代中世荘園絵図 / 原本調査方法 / 現地調査 / 伯耆国東郷荘下地中分絵図 / デジタル画像解析 / 史料学 / トレース図 / 釈文図 / 古代・中世荘園絵図 / 赤外線撮影 / トレース図・釈文 / 伯耆国河村郡東郷荘下地中分絵図 / 特殊光源装置
【研究成果の概要】
研究期間内に、以下の実績をあげた。
1、古代・中世荘園絵図原本約300点のうち、各地の所蔵機関・教育委員会等と連携し、合計83点を、調書等に基づき調査し、現地調査を連動して行った。
2、写真専門家等と協働しながら、光学的機器等を利用した調査方法・観察記録の基準について見直し、提案した。
3、「伯耆国河村郡東郷荘下地中分絵図」に関して、分析に有効な村絵図等の調査・GPS装置を利用した現地調査などを継続的・精力的に進めた。
4、その成果を集約した「東郷荘総合情報閲覧システム」をDVDとして制作し配布した。
5、同システムについて、鳥取県・湯梨浜町と共催した講演会の主催、県内の高校・大学における授業参加、教材用TV番組の収録・放映など、各種の社会教育・学校教育の場で積極的に実践し、新聞・TV報道など大きな反響を得た。
6、荘園絵図の表現研究には、トレース図・釈文図の研究・作成・蓄積が決定的に重要であるとの認識に基づき、日本画模写専門家等と緊密な協働作業を行い、トレース図58点・釈文図65点を完成させた。
7、3次元空間情報表示システムを利用した「東京大学史料編纂所所蔵荘園絵図模本データベース」の改良を行い、地図情報機能を新たに追加し、諸情報のデータを再検討しながら、その対象を拡大した。
8、古代荘園絵図ワークショップ2回、中世荘園絵図ワークショップ3回を、それぞれ東京大学史料編纂所荘園絵図プロジェクトと共催し、研究代表者・研究分担者が、これまでの成果と今後の課題について総括し、参加者と討議を重ね研究を深めた。
9、紙媒体の公開方法を『日本荘園絵図聚影』釈文編1古代の編纂・出版(2007年9月、東京大学出版会)に集約した。
10、以上を含めた具体的な研究成果を、研究成果報告書にまとめ刊行した(2008年3月)。
【研究代表者】