南西諸島における海上交通の復元的研究―「帆船の時代」の「歴史航海図」―
【研究キーワード】
琉球王国 / 海上交通 / 帆船 / 大型絵図 / 海図 / サンゴ礁 / 海事情報 / 大型絵図の研究資源化 / デジタルアーカイブ / 南西諸島 / 海上交通史 / 「帆船の時代」 / 琉球史 / 国絵図 / デジタルスキャン / 歴史航海図 / 帆船の時代 / 「歴史航海図」 / 琉球
【研究成果の概要】
九州南端から台湾に至る南西諸島を広域的に描き、航路などを記した航海図としての側面を持つ前近代の画像史料が残されている。本研究では、これらを「帆船の時代」における「歴史航海図」と位置づけ、そこに記載された海事情報をもとに、史料蒐集、解読と分析・検討、および現地調査を行い、海上交通の実態を復元的に考察しようとした。
新型コロナウイルスの感染拡大により研究計画は大きく見直すこととなったが、本研究の基礎史料である正保琉球国絵図はデジタル化して「正保琉球国絵図デジタルアーカイブ」を構築し、公開することができた。また、とくに那覇港の海上交通について、各種絵図類を比較検討することで新たな知見を得た。
【研究の社会的意義】
南西諸島を描いた前近代の画像史料を体系的に見直し、十分に知られていなかったものについては学術的な知見を加え紹介した。その中には「寛永の琉球国絵図」のように、本研究によって歴史的意義の解明が大きく進んだものも少なくない。
またこれまで、その重要性にもかかわらず閲覧が困難だった正保琉球国絵図をデジタル化し、「正保琉球国絵図デジタルアーカイブ」を構築した。コロナ禍にあってデジタル化のニーズは高まっており、時宜に即した研究資源化を果たすことができた。
このほか、国立歴史民俗博物館での特集展示「海の帝国琉球」展に協力し、海上交通に関する研究成果を博物館展示という形で広く社会に発信した。
【研究代表者】