東京臨海部を対象とする現代大都市の空間的・時間的構造の社会学的研究
【研究キーワード】
東京 / 臨海部 / 湾岸 / 大規模開発 / ジェントリフィケーション / 流通 / 都市のイメージ / ビッグネス / 都市 / 大開発 / 再開発 / 空間 / 時間
【研究成果の概要】
本研究は東京臨海部を対象として現代の大都市を、空間的および時間的な構造という点から実証的に解明するとともに、都市の社会学の新たな理論と方法の構築を目指すことを目的として計画され、①東京大都市圏における臨海部の社会的地層・地形・イメージの重層性、②交通・流通のインフラ空間としての東京臨海部の構造、③巨大スケールの空間と施設,社会的意味、を主要な焦点として実証的かつ理論的な調査・研究を行なってきた。
前年度に引き続き2021年度は有明、豊洲、晴海のオリンピック・パラリンピック関連施設その他のフィールドワークと、日本橋川・神田川・隅田川周辺地域の船上からの視察、佃島・築地のフィールドワークを行い、上記地区の現状と開発状況、地形と地域の歴史的な形成過程、これらの地域の社会生態学的な構造を調査した。文献およびインターネット上のデータ収集も、前年度に続いて継続した。
①・②については、東京の湾岸地域の交通・流通インフラを含む巨大な施設と広大な空間がどのようにして歴史的に形成され、湾岸特有の空間や経験を生み出しているかについて、フィールドワークにもつづく検討と分析を行った。また、新型コロナウイルス感染症の影響によって、都市への集住・集中にかつてよりも歯止めがかかったが、そのことが東京の湾岸地域研究にいかなる影響をもたらすのかを、ポスト高度成長期以降の都市のありかたを含めて考察した。この点から②に関連してとくに高密度の都市、人口減少時代の「まち」論、ポストモータリゼーションにおけるインフラなどの視点からの考察を進めている。
③に関しては、外観からは内部機能がわからず、人を寄せつけず、立ち入ることができない工業施設や物流倉庫などの建物・施設の「巨大さ」の社会的な位相について、「距離の遠さ」(遠隔地へのエネルギーの伝送、モノの運搬、心理的距離など)や「構成的外部」の観点から分析・考察した。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
田中 大介 | 日本女子大学 | 人間社会学部 | 教授 | (Kakenデータベース) |
南後 由和 | 明治大学 | 情報コミュニケーション学部 | 准教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2018-04-01 - 2023-03-31
【配分額】4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)