海産カイアシ類の飢餓および休眠応答シークエンスの解明とマーカーの開発
【研究分野】水圏生産科学
【研究キーワード】
動物プランクトン / 生物海洋学 / 飢餓 / 休眠 / 遺伝子マーカー / カイアシ類 / 海洋生物学 / メタゲノム解析 / 分子マーカー / 海洋生態系 / プランクトン / トランスクリプト―ム / 海洋科学 / トランスクリプトノーム
【研究成果の概要】
海洋で優占する動物プランクトンであるカイアシ類を対象に、飢餓と休眠という生理状態を対象に、分子生物学的手法(RNA-seq)を用いて、マーカー遺伝子を探索した。飢餓に関しては、NADH-dehydrogenaseとvitellogenin 2が、それぞれ、飢餓に対して安定して高発現および低発現し、マーカー遺伝子として実用可能となった。休眠に関しては、脂質代謝、」炭水化物代謝に関する遺伝子が低発現した。酸素運搬タンパクと考えられるヘモエリスリンは、休眠個体で高発現していたが、この遺伝子はドメインを3つ持つ構造で、昆虫で報告されている貯蔵性タンパクと強い類似性が認められた。
【研究の社会的意義】
プランクトンは、外見では、その生理状態が分からず、培養を伴う生理活性の測定などを行う必要があり、変動の激しい海洋環境における生理状態の把握はできなかった。本研究で開発された、遺伝子マーカーを使うことによって、培養を伴わず、飢餓の有無や程度、休眠のステージ分けができるようなったことで、プランクトンの生態研究に大きな進展が見込まれる。また、休眠においては脂質の蓄積は報告されていたが、窒素を含む化合物での蓄積物質は報告がなく、新規発見となった。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
兵藤 晋 | 東京大学 | 大気海洋研究所 | 教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2015-04-01 - 2019-03-31
【配分額】16,900千円 (直接経費: 13,000千円、間接経費: 3,900千円)