人工知能による生物生産機械・装置の制御システムの研究
【研究分野】農業機械
【研究キーワード】
自動制御 / 人工知能 / 生物生産 / 耕うん / 播種 / 除草 / かんがい / 組織培養 / 機械・装置 / 制御 / 超音波 / 圃場作業 / 細織培養 / 細胞培養 / 植物体 / AI
【研究成果の概要】
本研究では、耕うん、播種・間引・除草、かんがい、組織培養の諸作業について、それそれ新しい視点に基づく因子をとりあげ、それらを他の因子と組み合わせ、人工知能ないしそれに準じる手法によって機械を制御したり、設計したりすることを試みた。
耕うんシステムに関する研究としては、きわめて多くの因子を考慮しなけれがならないミニマムティレッジとりあげ、これに多用されているスプリングタインの特性を明らかにするとともに、各種タインの圃場作業性能を調べ、これらを基にして、人工知能によるミニマムティレッジ機械設計計画法を追求し、そのためのエキスパートシステムを構築した。
播種・間引・除草については、播種機設計のための大豆種子を例にとり、その3次元形状画像解析によって、これまでとりあげられなかった形状要素を定式化し、精密播種に役立つ基礎データを得た。また葉形の画像解析による作物・雑草の識別法の研究を行い、条件によって68-95%の確率で雑草を識別することが可能で、除草の完全自動化の基礎とすることができた。
かんがいの自動化では、これまで肝心の作物の水分状態に関する因子がとり入れられていなっかたので、植物の体内水分状態の計測・制御に関する研究を進めて、自己回帰モデルによる最適制御を試みた。すなわち最適レギュレータによる動的制御を行い、人力側の状態変数に対して出力側の重み関数を1:10の範囲で変化させると良い制御結果が得られた。
植物組織培養装置に関しては、画像処理のアルゴリズムの研究を通じて1mm以下の微少なプロトコームの自動移植ロボットシステムを開発した。形状記憶合金アクチュエータを利用したソフトハンドリンググリッパを試作し、プロトコームを一つずつ新鮮な培地上に7mm間隔の格子上に着床させる制御を行い、一個当り約8秒で作業を行うことができた。
【研究代表者】