自己組織化によりミセル形成する修飾酵素を用いた疎水性環境汚染物質の濃縮無害化処理
【研究分野】環境技術・環境材料
【研究キーワード】
酵素反応 / 化学修飾 / 両親媒性高分子 / フェノール / 環境浄化 / 自己組織化 / ラッカーゼ / 修飾酵素 / フェノール系化合物 / 環境汚染物質 / 重合無害化 / 除去 / ミセル
【研究成果の概要】
本研究では,希薄濃度で環境水中に存在するフェノール系化合物を対象物質として,自己組織化によりミセルを形成する修飾酵素作成し,対象物質をミセル中に濃縮し,続いてミセル中での酵素反応によって対象物質を酸化・重合・不溶化することによって環境水を無害化できる一連のプロセスの構築を目的として研究を行った.
本研究の遂行により以下の研究成果が得られた.
項目1:修飾酵素の合成とその界面活性、酵素活性及び酵素安定性の制御
合成高分子によって,酵素ラッカーゼの化学修飾を行い,ミセル形成能を有する修飾酵素を合成することができた.修飾酵素の初期酵素活性及び熱安定性は,未修飾酵素に比べて格段に高くなった.また,修飾率と合成高分子の構造を適切に制御することで,修飾酵素の活性を最大で2倍に増加させることが可能となり,熱安定性に関しては10倍以上向上させることに成功した。
項目2:修飾酵素によるフェノール系化合物の重合無害化反応制御
修飾酵素によるフェノール系化合物の処理は,pH5,60℃の条件にて効率良く制御することに成功した.最適な条件では,修飾酵素により,2,6-ジクロロフェノール,2,4,6-トリクロロフェノール,2,6,クレゾール,キシレノール等のフェノール系化合物をモデル汚染水から100%除去することが可能であった。
項目3:他の反応系における類似修飾酵素を用いた効率的なバイオディーゼル生産
本研究から得られたアイデアを用いて,リパーゼの化学修飾およびバイオディーゼル生産への適用可能性について検討したところ,リパーゼの反応性を高められることが明らかになった.
【研究代表者】
【研究分担者】 |
新屋 義経 | 東京工業大学 | 大学院・理工学研究科 | 助手 | (Kakenデータベース) |
洪 京珍 | 東京工業大学 | 大学院・理工学研究科 | 助手 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2003 - 2004
【配分額】15,000千円 (直接経費: 15,000千円)