屋敷林「イグネ」の機械学習を用いた空間解析と三次元気流解析による機能評価
【研究キーワード】
リモートセンシング / 衛星画像 / ドローン / 分布把握 / k-平均法 / 流体解析 / 風速 / ランダムフォレスト / 画像解析 / 人工衛星 / Sentinel-2 / 植生指標 / 世界農業遺産 / 大崎耕土 / 農村景観
【研究成果の概要】
屋敷林の分布を把握するためのリモートセンシング画像の利用方法として、SPOT6衛星画像を用いた解析方法を提案した。5月上旬に取得された解像度6 m のマルチスペクトル(MS)バンドとNDVI、MSバンドとテクスチャ特徴量、解像度1.5 m のパンシャープンMSバンドとテクスチャ特徴量の3つのデータセットにk-平均法を適用した屋敷林の抽出結果を比較した。各手法において抽出された屋敷林の面積別の抽出精度に着目すると、屋敷林の面積が500 m2未満の場合、パンシャープン画像の解析結果はMS画像の解析結果よりも屋敷林の抽出率が0.2以上高い結果となった。以上の結果により、大崎耕土において500 m2以上の規模の大きい屋敷林分布把握は解像度6 m程度の衛星画像に、小規模な屋敷林を対象としたより詳細な屋敷林分布は解像度 1.5 m のパンシャープン画像にk-平均法を適用した手法が有効であることが示唆された。
三次元気流解析においては、CFD (Computational Fluid Dynamics) に基づく流体解析により検討を行った。本検討では、建物及び居久根の形状は、ドローンを用いた空撮画像を基に作成した数値表層モデルを参考に再現した。居久根は高さ10 m程度で卓越風向側に位置しており、居久根の流体力学的影響は、植生キャノピーモデルを用いて再現した。風速場はLarge-eddy simulationにより風速変動も考慮した。歩行者高さの風速に着目すると、居久根による弱風域は樹木高さの10倍程度風下まで広がっており、敷地内の平均風速が1/4程度に減少した。また、中庭で極稀に発生する強風も1/4程度に低減し、風速の変動が抑えられた風環境が形成される事が分かった。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
園田 潤 | 仙台高等専門学校 | 総合工学科 | 教授 | (Kakenデータベース) |
大風 翼 | 東京工業大学 | 環境・社会理工学院 | 准教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2020-04-01 - 2023-03-31
【配分額】4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)