マツ林における外生菌根共生系の維持機構の分子生態学的解明
【研究分野】林学・森林工学
【研究キーワード】
外生菌根 / マツ林 / 共生 / 分子生態学 / マイクロサテライトマーカー / 胞子発芽 / 外生菌根菌 / 菌類 / マツ科樹木 / ライゾトロン / 海岸林 / 根圏微生物 / 細菌 / マツタケ
【研究成果の概要】
本研究は,マツ林における外生菌根共生系の維持機構に関わる生物間のそうごさ用を分子生態学的手法により解明することを目指し,以下の成果が得られた。
1.dual-suppression PCR法を用いて9遺伝子座のアミタケのSSRマーカーを作製し,そのうちの3遺伝子座のマーカーで多型が見られた。
2.培地の活性炭処理とアカマツ無菌苗との二員培養の組み合わせにより,アミタケの胞子を効率良く発芽させることに成功した。
3.アミタケの胞子発芽が7種類のフラボノイドにより誘導されたことから,根の滲出物に存在するフラボノイドが,アミタケの胞子発芽を誘導するシグナルとして作用しているものと推測された。
4.マツ科針葉樹林に発生する日本産マツタケと,ブナ科広葉樹林に発生する中国雲南省産のマツタケについてrDNA領域の比較を行った結果,雲南省産マツタケと日本産マツタケが遺伝的に極めて近縁であることが明らかにされた。
5.二次遷移系列において,草原植生においてもアカマツに感染する外生菌根菌が存在していること,アカマツ・コナラ林の発達に伴って外生菌根菌群集の多様化が見られることが明らかにされた。
6.松枯れ被害林において,アカマツの枯死によっで菌根菌の子実体の種数および発生本数が減少すること,コナラが混交する林分において,ナカマツ枯死による菌根菌種数の減少が抑制されることが明らかにされた。
7.50年生アカマツ成木から外生菌根菌フリー細根を誘導し,その根へマツタケ菌を接種することで,マツタケの外生菌根菌を形成させることができた。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
福田 健二 | 東京大学 | 大学院・新領域創成科学研究科 | 教授 | (Kakenデータベース) |
鈴木 和夫 | 日本大学 | 生物資源科学部 | 教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2005 - 2007
【配分額】15,710千円 (直接経費: 14,600千円、間接経費: 1,110千円)