広葉樹林地帯における現存量および二酸化炭素固定量の推定
【研究分野】林学・森林工学
【研究キーワード】
生物量 / 成長量 / 地理情報システム / 天然林 / 根 / 地形 / 環境要因 / 種組成 / 広葉樹林 / 原生林 / 二次林 / ミズナラ
【研究成果の概要】
ミズナラが優占する落葉広葉樹二次林内にプロットを設置し、全立木の胸高直径及び樹高を測定した。プロットの周囲から資料木を選択し、樹冠表面積を測定の後、伐採した。資料木の幹・枝・葉・根各部分の生物量を測定すると共に、根の長さ、表面積、体積を求めた。最初に、根部の変数を他の地上部の変数から推定する式を求めた。根部については根の切断面の直径から失われた部分を推定するための式を導き、失われた部分を含めたすべての根の生物量を推定した。根部の各変数を推定するための樹木地上部の変数として胸高直径が望ましいことが示された。第二に、高齢の閉鎖した広葉樹二次林を対象とした林分材積及び単木材積の成長過程をモデル化した。呼吸及び光合成に関する生物学的な仮定を基に、幹の材積から材積成長を予想するための成長式を導いた。成長式のパラメータは測定時の材積と最近の成長量から求めた。
広葉樹二次林の種組成をプロットの測定値と地理情報システム(GIS)を用いて推定する手法を検討した。対象地は新潟県内の滝首湿原周辺及び赤柴山国有林である。対象樹種はこの地域の優占樹種であるブナ、コナラ、ミズナラとした。重回帰分析により樹種別胸高断面積割合と数値地形モデル(DEM)から計算した地形及び環境因子との関係を分析し、重回帰式を得た。GIS上で重回帰式を適用し、主要樹種について対象地全体の胸高断面積割合を推定し、図示した。
ブナ、ミズナラ、コナラが優占する落葉広葉樹林内を対象とし、葉面積指数をGISにより地形要因から推定する手法を検討した。対象地に設置されたプロット内にリタートラップを設置し、落葉量を測定することにより各プロットの葉量を推定した。各プロットの地形因子と葉面積指数との関係を数量化I類によって分析した。標高と斜面傾斜角から葉面積指数を推定する式が導かれた。この式から対象地の落葉広葉樹林の葉面積指数を推定し、図示した。
【研究代表者】
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2003 - 2005
【配分額】3,200千円 (直接経費: 3,200千円)