ネコモルビリウイルスの病原性に関する研究
【研究キーワード】
ネコモルビリウイルス / ネコ腎臓病 / 特異抗体検出系 / 交差反応 / 猫糞便検査 / 次世代シークエンス / 病原性機構 / アポトーシス / 病原性 / リバースジェネティックス / 抗ウイルス薬
【研究成果の概要】
令和3年度は、ネコモルビリウイルス(FeMV)とイヌジステンパーウイルスのN蛋白質に対する反応性についての論文を作成するための確認実験を進めたが、組換えタンパク質の発現に問題が見つかったため、コンストラクトの再構築を行い実験を進め、現在、論文作成を進めている。また、FeMVに対する抗ウイルス薬の研究では、漢方薬ライブラリーから、抗マラリア作用を持った漢方薬を発見し、同じ薬品が、猫のコロナウイルスに対して抗ウイルス作用を持っていることが発見された(Endo et al., Parasitol Int. 2021. 87:102532)
ため、現在、FeMVとA型インフルエンザウイルスに対する抗ウイルス作用のアッセイを行っている。東京都動物愛護相談センターとの共同研究により、同センターが保護した猫の糞便を用い、次世代シークエンサーにより糞便中のウイルス検出を行ったところ、複数検体よりFeMVの遺伝子配列が検出され、東京都の野外猫におけるFeMV感染の広がりとウイルスの糞便中への排出が明らかになった。さらに、FeMVの病原性についての研究では、前年度に論文発表した研究(Sutummaporn et al., Arch Virol. 2020. 165:2647-2651.)で用いたネコの腎臓組織切片を用い、腎臓組織に対する自己免疫反応について、ネコ血漿を用いた免疫化学染色を用いて実験を行う予定である。2021年度は、国内全体的に、新型コロナウイルス流行によって留学生の来日が遅れ、当研究室も、3人の大学院生が半年~1年間程度の到着の遅れがあり、大学院生が全て留学生である当研究室は、研究に大きな後れが生じた。2022年度は正常に戻りつつあり、予定に沿った研究を目指す予定である。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
田中 良和 | 日本獣医生命科学大学 | 獣医学部 | 教授 | (Kakenデータベース) |
中尾 洋一 | 早稲田大学 | 理工学術院 | 教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2020-04-01 - 2023-03-31
【配分額】4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)