プロラクチンとそのレセプターとの分子反応機構に関する研究
【研究分野】畜産学
【研究キーワード】
プロラクチン / プロラクチンレセプター / 細胞膜レセプター / 乳腺 / ホルモン依存性解離 / 負の相互作用 / スカッチャードプロット / ヒルプロット / レセプタ- / 解離機構 / 高濃度プロラクチン
【研究成果の概要】
本年度は研究の最終年度である。二年間において以下の研究を行ない、新らしい成果を明らかにした。大別して二方向から研究を行なった。
従来から、プロラクチンレセプターは、細胞膜のみならず、細胞内にも多量に存在することが知られていた。著者は、アッセー終了時に細胞を酸で処理することにより識別出来ると考え、その条件を明らかにした。その結果、プロラクチンは細胞内に自由に取り込まれること、細胞内に存在するレセプターと結合した。しかし、このプラクチンは、酸処理に強い抵抗性に示した。一方、細胞膜に結合したプロラクチンは、酸処理により容易に解隣した。レセプターの存在する場所により異なった性質を示した。又、それぞれは、異なった変動を示し、独立に制御されていた。新らしい研究の分野がひらかれた。次に、高濃度プロラクチンの生理作用を、反応速度の面から明らかにした。プロラクチン濃度が異常に高くなると、解離速度が速くなる。もし相互作用が無ければこのような現像は起こらない。そこでスカッチャード及びヒルプロットにより解析を行なった。いずれの結果も高濃度プロラクチンは、相互作用の存在を示した。プロラクチンが解離したレセプターは、本来の性質を保ったことから、高濃度プロラクチンの存在下では、レセプターが飽和するのでなく、むしろ結合反応の頻度が著しく増加する、ことを示している。このような現像は他のホルモンにおいても認められ、同様な機構であると予測することが出来る。一般にこれらのホルモンが異常に高くなると体の異常を引き起す。その機序を開明出来た。
【研究代表者】