ムギネ酸の分泌トランスポーターに関する研究
【研究分野】植物栄養学・土壌学
【研究キーワード】
ムギネ酸 / 分泌トランスポーター / 鉄欠乏 / 日周性 / マイクロアレイ / 根 / オオムギ / イネ / トランスポーター
【研究成果の概要】
イネ科植物からムギネ酸分泌トランスポーターを単離するためにまず、候補の一つとされていたFRD3遺伝子のムギネ酸類トランスポーターとしての機能を測定した。この遺伝子産物はMATE(Multi-drug and toxin efflux)ファミリーに属し、12個の膜貫通ドメインをもつ。イネから、この遺伝子のcDNA配列を単離した。これを用いてアフリカツメガエルの卵母細胞でムギネ酸の分泌トランスポーターであるかどうかの測定を行ったが、現在までのところ、有力なデータは得られていない。今後、さらに条件を検討していく予定である。また、FRD3遺伝子は細胞膜に局在することを明らかにした。今後ムギネ酸を生成する酵母を作成し、ムギネ酸の分泌トランスポーターをしての機能を精査していく予定である。鉄欠乏時のマイクロアレイ解析からFRD3遺伝子とは異なるムギネ酸の分泌トランスポーターの候補遺伝子を得た。これらについても今後、鉄欠乏の根での発現解析、卵母細胞でのトランスポーター活性解析等を行う予定である。さらにマイクロアレイ解析によって得られた遺伝子群から、鉄欠乏の根で発現が日周性を示すものとして、calmodulin、initiation factor 4A2、ras-related small GTP-binding protein、ADP-ribosylation factor 1の遺伝子を同定した。これらの遺伝子のムギネ酸分泌の日周性への関与について詳細に検討する予定である。
【研究代表者】
【研究種目】若手研究(B)
【研究期間】2003 - 2004
【配分額】3,600千円 (直接経費: 3,600千円)