大量死の記憶と亡霊の演劇に関する総合的研究
【研究分野】英米・英語圏文学
【研究キーワード】
英語圏文学 / 英語圏演劇 / 亡霊 / 記憶 / 比較演劇 / 戦争 / 災害 / ヨーロッパ演劇 / 災害文学 / 英米文学 / 演劇 / 大量死
【研究成果の概要】
我々は二つの世界大戦の記憶の風化に抗いつつ、内戦やテロリズム、自然災害による大量死の脅威と向かいあっている。大量死は、生命を脅かすだけでなく、個々の記憶が薄れ、犠牲者ひとりひとりの生と死の意味が忘れ去られる危機をもたらす。本研究は、この危機に対抗し、大量死の脅威を記憶にとどめようとする演劇の可能性を追求することを目的とする。キーワードは亡霊である。演劇は、ギリシア悲劇の昔から、亡霊の芸術と言えるほど、死者たちを生者につきまとう亡霊として描くことで、死に意味を与えようと試みてきた。本研究は、亡霊をとおして大量死の犠牲者たちの記憶をあらたにし、さらには大量死をもたらす背景を暴こうとする作品を分析し、演劇の可能性を追求するものである。
本研究グループは、2014年度より3年間にわたり「大量死の記憶と演劇的想像力に関する総合的研究」というテーマで研究を重ねた。その実績を基盤として、2017年度より「大量死の記憶と亡霊の演劇に関する総合的研究」を開始した。以来、メンバーそれぞれが専門とする劇作家の作品分析を進める一方で、グループ全体として研究を進めている。2018年度には、国際演劇学会(IFTR)の年次大会において、パネル発表を行い、大量死を描く演劇を検証することの重要性を示した。つづく2019年度から20年度にかけては英米演劇における亡霊に関する論文集の精読を行い、演劇における亡霊の研究について方向性とその意義を共有した。これらの研究成果を活かして、大量死を描く戯曲の翻訳および論文から成る書籍を準備している。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
堀 真理子 | 青山学院大学 | 経済学部 | 教授 | (Kakenデータベース) |
小菅 隼人 | 慶應義塾大学 | 理工学部(日吉) | 教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2017-04-01 - 2023-03-31
【配分額】4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)