異種間共生によるヒトの健康促進ーヒト-イヌ共生細菌叢によるこどもの心身の健康発育
【研究キーワード】
思春期 / 問題行動 / 腸内細菌叢解析 / 無菌マウス / 思春期児童 / Well-Being / ノトバイオートマウス / 腸内細菌叢 / 社会性 / オキシトシン / イヌの飼育 / 心的尺度 / 細菌叢 / 思春期コホート / 心理アンケート / 行動 / 心理発達 / ペットの飼育 / マウスモデル / ペット飼育 / 心理スコア / ヒト発達 / 細菌叢解析 / 社会行動 / モデルマウス
【研究成果の概要】
R3年度は以下のデータを得た。まずイヌの飼育児童の細菌叢の対象を広げ、無菌マウスに生着させる追加実験を実施し、その後の社会行動の変化を解析した。その結果、昨年度と同様の結果が得られた。具体的には、アルミ呈示テストにてイヌ飼育経験あり群は全週齢においても逃避行動が多く、4,6週齢で匂いかぎ行動が少なかった。社会性行動テストにはイヌ飼育経験あり群は4週齢で陰部匂いかぎ行動が多く、追尾行動や頭部匂いかぎ行動は少なかった。これらの結果から、イヌの飼育経験の有無によって子供の唾液中細菌叢が変化し、その細菌叢はマウス宿主において、攻撃性行動や社会性行動を変化させた。これらのことから、イヌの飼育による心身の変化の一部に細菌叢が関わる可能性が示された。次に、これらのノトバイオートマウスの糞便解析を実施した。現在16S RNA解析は終了し、行動データとの相関を実施している。並行して、イヌ飼育児童群と対照群との常在菌叢の比較解析と合わせて、ノトバイオートマウスで見出された候補菌の保有率の比較を実施している。またこれまでヒトとイヌのインタラクションにより、ヒトのオキシトシンの上昇を見出していること、オキシトシンがストレス軽減効果や社会性の向上をもたらすことが知られているため、児童の尿中オキシトシンとコルチゾール値を測定した(n=3000)。こちらも現在、アンケート結果との相関解析を実施している。
【研究代表者】