受精後の新世代における遺伝子発現プログラムの実態とその調節機構の解明
【研究分野】獣医学、畜産学およびその関連分野
【研究キーワード】
遺伝子発現プログラム / 初期胚 / zygotic gene activation / マウス胚 / 胚性遺伝子発現 / 受精卵 / 1細胞期胚 / 着床前初期胚 / 転写調節 / 受精
【研究成果の概要】
受精後に始まる遺伝子発現プログラムの調節に関わる因子として、(1)発生イベント、(2)Zygotic Clock、(3)段階的変化、の3つを想定し、これらの実際の関与を調べた。まず、1細胞期の転写を可逆的阻害剤により一過的に抑制し、2細胞になった時期に阻害剤を除いて転写パターンを調べたところ、1細胞期のパターンが見られた。したがって、この時期の遺伝子発現プログラムは、(3)段階的変化によって調節されていることが明らかとなった。また、2細胞前期から後期に起こる大規模な遺伝子発現パターンの変化がおこるが、DNA複製を阻害する実験によって、DNA複製が関わっていることが示唆された。
【研究の社会的意義】
現在、クローン動物やiPS細胞の作成効率が極めて低く、その原因としてリプログラムミングがうまく成されていないことが考えられており、その改善に向けた研究が数多く行われている。しかし、リプログラミングを理解するためには、その元となるプログラムを理解することが必須であるが、これが解明されていないのが現状である。そこで、本研究の成果が端緒となり、プログラムの全容が解明されたら、その情報に基づいてリプログラミングが達成されない原因を究明し、その改善に向かうという新たなスキームが生まれるものと期待される。
【研究代表者】
【研究種目】挑戦的研究(萌芽)
【研究期間】2017-06-30 - 2019-03-31
【配分額】6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)