日本における大規模な農地景観の変化が鳥類の多様性と個体数におよぼす長期的影響
【研究キーワード】
農地 / 農地の生物多様性 / 水田 / リモートセンシング / 水田分布の地図化 / farmland / farmland biodiversity / paddy fields / remote sensing / rice mapping
【研究成果の概要】
申請者らは、農業景観における土地利用や植生の変化を調べることを目標に、前年度より継続してプロジェクトを実施した。1980年代から2020年までの日本全域にわたる水田の分布地図を作成した。
この水田分布地図は、1980年代から現在までのランドサット衛星画像を使用して作成した。ランドサット画像は、雲量が多い場所を取り除くなどの前処理を行い、複数の日時の画像を集約してある。その上で、気温と田植えの日付というフィールドベースのデータを組み合わせることで、水田などの土地利用部分を機械学習によって分類する「フェノロジー・アルゴリズム」を構築し、全国規模の水田分布地図を作成することに成功した。これらの処理は、Google Earth EngineとPythonを使用して行なった。この分類精度を、JAXA 2014-16年版土地被覆図を使用し、航空写真の目視解釈を用いて評価した。その上で、水田面積の変化を全国と都道府県レベルで分析し、1980年代からは、日本で水田面積が28%減少していることを確認した。これらの成果を論文にまとめ、現在投稿中である。
加えて、全国および都道府県レベルの水田面積の変化を利用者が調べることのできる、ウェブアプリケーションも作成し、近々公開予定である。このアプリケーションは R Shiny を用いて開発し、オンラインでアクセス可能にした。このウェブアプリケーションは、日本における農業活動の変遷、それが生物多様性や人々に与える潜在的な影響に関心を持つ研究者、管理者、政策立案者にとって有用である。
【研究代表者】
【研究種目】特別研究員奨励費
【研究期間】2020-09-25 - 2022-03-31
【配分額】1,300千円 (直接経費: 1,300千円)