北米大陸史枠組み構築のための1812年戦争研究:双方向的把握の試み
【研究分野】ヨーロッパ史・アメリカ史
【研究キーワード】
北アメリカ大陸 / カナダ / アメリカ合衆国 / 1812年戦争 / アメリカ / 北アメリカ大陸史 / 北米大陸 / 先住民 / 記憶 / 観光 / 西洋史 / アメリカ合衆国史 / カナダ史
【研究成果の概要】
1812年戦争を題材にアメリカ史とカナダ史両方の研究史を学び、北米大陸史を構想することをめざした。実証作業として、マイケル・スミス『アッパーカナダ植民地地理概観』(計6版、1813年~1816年)について掘り下げた。同書はアメリカ人にカナダへの移住を促す目的で著された地理書で、カナダ史の重要資料である。
だが加筆が目立つ同書第4版について、その読者と目されるヴァージニア州のバプティスト社会を調べる必要が判明し、同州の地域史文献と資料を入手する間に期限を迎えた。今後もスミスの地理書に関する調査を行うとともに、一定量の文献を読破した初期カナダ史について、研究動向を踏まえて研究を継続する。
【研究の社会的意義】
アメリカ合衆国史のみに偏りがちな北アメリカ史の研究を具体的な形で拡大する第一歩として、メキシコ以上に素通りされがちなカナダの側から、アメリカ史を照らす視座を持ち込むことができた。資料を選べば、少なくとも1815年までについては、カナダ史とアメリカ史を同時に並べるにとどまらず、一体的に論じることが可能であることを示せた。脱一国史的な発想と構想から、戦争を戦う対立勢力をまたぐ議論を打ちだす可能性も示すことができた。
【研究代表者】
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2016-10-21 - 2020-03-31
【配分額】4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)