市場の動態とルールの変遷過程:系統学的アプローチ
【研究キーワード】
社会規範 / 市場 / ルール / 法社会学 / 系統学
【研究成果の概要】
本研究の目的は、(1)系統学の手法を活用しながら市場におけるルールの変遷過程を解明することと、(2)その背景となっている要因を探究することにある。市場取引を規制するルールの普及・変容・消滅の要因を記述的に明らかにして、望ましい市場ルールをめぐる議論の基盤を整えることを目指す。
3年間の研究期間で、市場的領域・非市場的領域における諸ルールの変遷過程に関連する歴史的な資料と現時点のデータの両方を収集した。また、最終年度にはオンライン調査および実験を複数回実施している。資料とデータから得られた知見の一部は公表済みであるが、研究期間終了後もさらに分析を進め、成果の公表を引き続き行っていく予定である。
【研究の社会的意義】
社会の中で使われているルールがどのようなものであるかを知るためには、明文のルールを参照するだけでは不十分である。本研究では、特に市場におけるルールを対象として、実際に通用しているルールを同定したり変遷を跡付けたりするための方法を考察した。さらに、ルールの変遷に深く関連する諸要素をいくつか特定し、それをもとにオンライン実験を実施した(このデータは本報告書作成時点で分析中である)。以上の一連の研究と同時に、「デジタル化の進展がルールの変容プロセスにどのように影響するか」、「連結性の増す社会で諸ルール間の関係はいかに変化してきているか」といった問題も検討し、成果の一部を公表した。
【研究代表者】
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2019-04-01 - 2022-03-31
【配分額】4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)