グローバリゼーションが農地制度に及ぼす影響に関する国際比較-予備的考察-
【研究分野】農業経済学
【研究キーワード】
農地制度 / 土地所有 / 土地利用 / グローバリゼーション / 旧社会主義国 / 市場経済システム / 大規模法人経営 / 農地管理システム
【研究成果の概要】
平成15年度は、(1)各国の農地制度の多様な実態を把握すること、(2)本格的な調査研究を進めるための分析視角を整理することを目的として、計7回の研究会を実施した。第1回(2003年6月1日)、第3回(2003年9月6日)、第5回(2003年10月13日)、第7回(2004年1月24日)の研究会では、グローバリゼーション下における農地制度の分析視角を検討するため、保志恂氏(東京農業大学名誉教授)、伊藤正直氏(東京大学大学院経済学研究科)、小林賢齊氏(武蔵大学名誉教授)を報告者として招いたほか、分担者である北原克宣氏(秋田県立大学短期大学部)からの報告をもとに研究会を実施した。
第2回研究会(2003年7月6日)では、山村理人氏(北海道大学スラブ研究センター)を報告者に招き、グローバリゼーションが進展する中で、急速に市場経済化と農地制度改革を進めているロシア及び旧ソ連諸国の農地制度改革の実態について検討した。第4回研究会(2003年9月28日)では、管沼圭輔氏(福島大学経済学部)を招き、中国の農地問題の実態について取り上げたほか、第3回研究会及び第4回研究会では、日本における農林地開題の実態について、長濱健一郎氏(農政調査委員会)、根津基和氏(東京農業大学)を報告者に招き、検討した。
これまでの研究会を通じ、グローバリゼーションの展開が旧社会主義国、中国などに市場経済システムに見合った農地制度(私的土地所有に基づく大規模法人経営化ないし企業による支配強化)への再編を強いていること、その一方で、日本など資本主養国においても新たな農地管理システムの構築が急がれていることなどについて知見が得られた。以上を踏まえ、今後、実態調査を含むより詳細な調査研究を進めることが検討された。
【研究代表者】