グローバルバリューチェーンと経済発展:企業レベル分析
【研究キーワード】
グローバルバリューチェーン / 生産性 / 外国企業 / 直接投資 / 国際貿易 / 国際投資 / 経済発展
【研究成果の概要】
企業によるグローバルサプライチェーン(GVC)への参加が企業の生産性の向上に貢献したのかという問いに対して、実証分析を行い、二本の研究論文にまとめた。両論文では、GVC参加を輸出と輸入を同時に行っている状況と定義し、GVCに参加していなかった企業がGVCに参加したことで、企業の生産性が上昇したのか、検証した。分析方法は、傾向マッチング手法と差分の差手法を適用した。企業によるGVC参加の影響を分析するために、ある時点でGVCに参加していない企業を選び出し、次の期でGVCに参加した企業と参加しなかった企業の間で生産性に統計的に有意な差が存在するのかどうかを検証した。一本目の論文では、インドネシア、フィリピン、ベトナムを対象として分析を行った。データは世界銀行の企業サーベイから入手した。分析結果からは、インドネシアにおいてGVC参加による企業の生産性向上効果は確認できたが、フィリピンとベトナムについてそのような効果が認められなかった。二本目の論文は日本企業を対象とした分析で、企業に関するデータは経済産業省の企業活動基本調査から入手した。分析結果からは、GVC参加による生産性向上効果は認められたが、そのような効果が認められるまでにはGVC参加から2,3年を要することが明らかになった。また、企業によるGVC参加にあたっては、高い生産性を要することが重要であり、高い生産性を実現するには、外国企業との取引関係が重要であることが認められた。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
白 映旻 | 福山大学 | 経済学部 | 講師 | (Kakenデータベース) |
横田 一彦 | 早稲田大学 | 商学学術院 | 教授 | (Kakenデータベース) |
|
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2020-04-01 - 2023-03-31
【配分額】4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)