応用制度設計・実験経済学・社会哲学を融合した持続的発展のための新しい会計
【研究キーワード】
成熟経済社会 / 新しい資本主義 / 付加価値分配計算書 / DS経営 / 実験経済・会計 / 付加価値分配計算書(会計) / 公益資本主義 / ナッジ / 制度設計 / 成熟経済 / 会計 / 経済学 / ナッジとしてのアカウンティング / DS経営モデル / 分配政策 / コーポレートガバナンス / ディスクロージャー / 成熟後の経済・社会 / 幸福と会計 / 会計とインセンティブ / ディスクロージャーとインセンティブ / 応用制度設計 / 応用社会構築主義会計 / サステナビリティ / インセンティブ / インド / 経済倫理 / 実験経済学 / One Additional Line / 財務会計
【研究成果の概要】
社会構築主義会計や制度設計経済学は、望ましく新たな経済現象・制度を創造する条件や過程の解明に努める。例えば2013年にインドで法制化された One Additional Line (OAL) は損益計算書にCSR費用を追加的に1行表示させるだけで、経営者、投資家、メディアのインセンティブを自律的に統制し、市場原理としてよりサステナブルな経済発展が達成される可能性を示した。これはメカニズムデザインと実験経済学を援用した斬新で効果・効率的な政策イノベーションとして国際的な注目を集めつつあるが、その政治的センシティビティの為に公開には至らず学術的研究は今後の幅広い学際的な吟味に委ねられていた。本研究はこのような新しい発想の会計を社会哲学、フューチャー・デザイン、環境・サステナビリティ会計および現行諸制度の中で検討し、実効性ある全球的な持続的発展のためのナッジとして構築する可能性を探求する目的であった。しかし、2020年1月以降のコロナ禍の影響で、当初予定していた国内・国外の実証的な実験は不能となったため、新たに国内上場会社の有価証券情報をベースとする、被験者を使ったシミュレーション実験(DSシミュレーター)を開発した。2021年、基本的データの蓄積と分析をもとに、の公益社団法人 関西経済連合会 委託研究『成熟経済・社会の持続可能な発展のためのディスクロージャー・企業統治・市場に関する研究調査報告書 <四半期毎の開示制度の批判的検討を契機とする>』を公表し、さらに上場企業トップや会計士、金融庁・経済産業省職員らと検討を進め、実装へ向けて研究を推進している。
【研究代表者】