非モデル生物を用いたゲノム倍数化を介した植物の種分化機構解明の基盤構築
【研究キーワード】
異質倍数体 / 種分化 / 比較ゲノム解析 / スミレ属
【研究成果の概要】
DNA抽出法の検討とDNAシーケンス
植物からのDNA抽出法としてはC-TAB法が一般的に知られているが、スミレ属植物は多糖類やポリフェノール類などを多く含んでいることが原因で、他の植物と比較して抽出効率が悪かった。そこで、スミレ属植物に適したDNA抽出法を検討した。その結果、塩化ベンジル法をベースとした抽出法によって高分子DNAを高効率で抽出可能であることがわかった。本方法によって、異質倍数体スミレの葉から約35 μgのDNAを抽出できたため、Pacbio Sequel IIのCCS (Circular Consensus Sequencing) modeによってゲノムシークエンスを実施した。
2) RNAシーケンス
異質倍数体スミレの組織(葉、根、茎、花、蕾、匍匐枝)からRNAを抽出し、Illumina NovaSeq6000 によってRNA-seqデータを取得した。取得したRNA-seqリードをドラフトゲノムにテストマッピングしたところ約90%のリードがマッピングされていることを確認した。また、Trinityによるde novoアセンブルによって遺伝子セットを作成し、BUSCOを用いて完成度を評価した結果、双子葉植物に共通するSingle copy orthologs(eudicots_odb10)の検出率は96.6%であった。以上の結果から、今回取得したRNA-seqデータは遺伝子アノテーションに使用するうえで十分なクオリティであると考えられる。
【研究代表者】
【研究種目】研究活動スタート支援
【研究期間】2021-08-30 - 2023-03-31
【配分額】3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)