ムチン資化性菌由来スルフォグリコシダーゼの機能解明と酵素の応用的展開
【研究キーワード】
ムチン / Bifidobacterium bifidum / 糖鎖 / スルフォグリコシダーゼ / グライコミクス / CBM / GH20 / O-glycan / 腸内細菌 / BbhII / GH / Bfidobacterium bifidum / ビフィズス菌 / sulfoglycosidase / Bifidobacterium / sulfated glycan
【研究成果の概要】
ヒト腸内細菌による宿主糖タンパク質の分解は菌叢形成と維持あるいは有益な代謝物産生、さらには粘膜恒常性維持や疾患と深く関連している。本研究はBifidobacterium bifidumの硫酸化ムチン糖鎖分解メカニズムに関して、膜結合型細胞外スルフォグリコシダーゼBbhIIを例に、構造生物学的、酵素生化学的解析、あるいはオミクス解析を通して明らかにした。特に、本菌がcarbohydrate-binding module依存的なムチン分解メカニズムを有することを示すことに成功した。
【研究の社会的意義】
本研究は、腸内細菌によるムチン分解の詳細なメカニズムを明らかにしたものである。ムチンの硫酸化は潤滑物質としての効果の他にも、粘膜・粘液バリア機能に寄与することが知られている。従ってムチン分解の亢進は上皮と腸内細菌の直接接触する機会を増してしまうことから慢性的な炎症(炎症性腸疾患)につながると考えられている。本研究から得られた糖質分解酵素に関連する様々な基盤的知見は、過剰なムチン分解を抑制するような炎症性腸疾患の治療法の開発においても有益な情報となると期待される。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
伏信 進矢 | 東京大学 | 大学院農学生命科学研究科(農学部) | 教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2019-04-01 - 2022-03-31
【配分額】4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)