原始的硫黄転移系の分子基盤
【研究キーワード】
好熱性アーキア / 原始的硫黄転移系 / tRNAチオヌクレオチド / モリブドプテリン / 鉄硫黄クラスター / アーキア / 硫黄転移 / ユビキチン様タンパク質 / tRNA硫黄化 / 翻訳後修飾
【研究成果の概要】
超好熱性アーキアThermococcus kodakarensisはユビキチン様タンパク質(TK1065, TK1093, TK2118)を持つ。大腸菌などバクテリアのモリブドプテリン生合成では、ユビキチン様タンパク質のC末端GGモチーフの末端グリシンのカルボキシル基がATP依存的モリブドプテリン合成酵素アデニルイル基転移酵素によってAMP化され、その後、硫黄転移酵素によって硫黄原子が付加してcarbothioic S-acidとなることが知られている。TK2118遺伝子は、ATP依存的モリブドプテリン合成酵素アデニルイル基転移酵素と相同なTK2117遺伝子とオペロンを形成している。2021年度は、特にTK2118のチオカルボキシル化に着目して、TK2117とTK2118の機能解析を行い以下の知見を得た。1. TK2117のATP加水分解活性をATPの加水分解によって生じるリン酸を定量して測定したところ、TK2117単独での活性と比べて、TK2118を添加することでTK2117のATP加水分解活性が向上した。これは、TK2118によってTK2117のATP加水分解活性が促されたことを示唆する。2. TK2117のATP加水分解活性によって生じるAMP化TK2118を解析するために、TK2117とTK2118混合物またはATP存在下でのTK2117-TK2118反応物を調製し、質量分析を行った。この結果、反応物でのみTK2118の質量の増大が見られたことから、AMPを含む化合物がTK2118分子に付加しているものと考えられた。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
鴫 直樹 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 | 生命工学領域 | 主任研究員 | (Kakenデータベース) |
大平 高之 | 東京大学 | 大学院工学系研究科(工学部) | 助教 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2020-04-01 - 2023-03-31
【配分額】17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)