アフリカ観光の新潮流と少数民族社会の再編:「プロジェクト型観光」に着目して
【研究分野】地域研究
【研究キーワード】
アフリカ / 民族間関係 / 開発 / 自然保護 / 文化 / 観光 / エンパワーメント / 不確実性 / ビジネス / 地域住民 / 伝統文化 / プロジェクト / 自然 / 少数民族 / 参加 / 住民 / グローバリゼーション / アクター
【研究成果の概要】
アフリカの観光の現場では、開発支援とビジネス的要素を組み合わせながら、地域社会が抱える複数の課題を解決する観光形態が注目されている。本研究はこの最新の観光形態を「プロジェクト型観光」と位置づけ、関与する多様なアクターの整理、アクター間の目的の多層性、開始や普及過程、特徴などを分析する。そのうえで少数民族を含む地域社会がダイナミックに再編される複雑で重層的な過程と、そこにかかわるアクター間のポリティクスの解明を目指す。そして、アフリカの複数地域の比較検討を通じて、「プロジェクト型観光」が少数民族の直面している問題の解決にいかに寄与し、一方で新たな問題や矛盾を生じさせているのかを包括的に考察することを目的として進めている。
本年度は、タンザニア、ケニア、エチオピア、ガボン、コンゴでの現地調査を進め、現地の観光産業の展開と、それが地域社会に与える影響や、自然保護プロジェクトとの関係性などを明らかにした。またアフリカの住民参加型観光の特徴を明らかにするために、北海道や沖縄での観光実践のあり方を調査した。また研究会を複数回、開催し、各事例の比較検討を進めるとともに、その枠組みを再検討した。研究会には、日本の住民参加型観光に詳しい研究者を招いて、アフリカの観光状況についての議論も深めた。
また、昨年度に実施された現地調査をもとに、複数の学会や論文のかたちで成果の報告がなされた。
【研究代表者】