果樹、園芸植物等の凍結挙動可視化法の深化と凍結制御機構の新展開
【研究分野】園芸科学
【研究キーワード】
耐寒性・凍結傷害 / 環境ストレス / 植物 / 凍結制御 / 非破壊可視化 / 耐寒性 / 水 / イメージング / MRI / 凍結傷害 / 凍結過程 / 氷核活性
【研究成果の概要】
水分豊富な植物組織にとって凍結は最も危険なストレスである。果樹・花卉の花芽等の複雑な越冬器官が組織水の凍結をどのように制御して、致死的な細胞内凍結を回避しているか(凍結様式および凍結制御機構)は重要な耐寒性機構である。このメカニズムは凍霜害防除や凍結制御機構の基礎・応用研究に重要であるが、詳細はよく判っていない。本研究では、この凍結挙動の動態解明と機構解析のため、最新高分解能MRIなど による凍結挙動の高感度可視化解析法を確立することを目標としている。今年度は以下のことを行った。
①豪州Western Sydney大での共同研究は、コロナによる入国規制のため遂行できなかった。そのためこれまで取ったデータについて解析を進めた。1)3D凍結挙動可視化法の最適化が確立され、花芽、葉芽等の凍結様式の3D解析が可能になり、凍結様式の多様性とメカニズムの解析ができるようになった。実例として2種の冬芽の凍結様式の3D解析に成功した。2) Semi-real time解析手法の最適化がなされ、冬芽や枝等の凍結開始・伝搬や凍る順番(凍結順位)等の解析が可能になった。3) 未凍結組織の過冷却が破れる瞬間(凍霜害発生)がどのようにして生じるのか判っていない。凍結バリアが破壊されるのか過冷却組織が自発的に凍るのかreal time解析による解明を試みたところ、後者であることが判明した。
②筑波大MRIを利用した凍結様式解析を開始した。最適条件を見つけることと多種類の冬芽などの解析を始めた。③MRI画像データを効率的に解析する手法の確立を始めた。複数のソフトによる解析を行った。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
寺田 康彦 | 筑波大学 | 数理物質系 | 准教授 | (Kakenデータベース) |
福田 健二 | 東京大学 | 大学院農学生命科学研究科(農学部) | 教授 | (Kakenデータベース) |
朽津 和幸 | 東京理科大学 | 理工学部応用生物科学科 | 教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2017-04-01 - 2021-03-31
【配分額】16,770千円 (直接経費: 12,900千円、間接経費: 3,870千円)