各種耕うん整地方式に対する土壌の力学的挙動に関する総合的研究
【研究分野】農業機械
【研究キーワード】
耕うん / 土壌 / 土壌力学 / 切削抵抗 / 超音波 / 画像処理 / 土塊分布 / ミニマムティレッジ / 土壌分布
【研究成果の概要】
3年間の研究の、主要な結果は次のとおりである。
1.土壌の圧縮と切削に関する一連の基礎実験を行い、土の圧縮時の状態経路を明らかにするとともに、平板ブレードによる直線切削、曲線切削、および複ブレード切削時の状態経路とひずみ分布の特性を明らかにした。
2.土壌の力学性を総合的に計測することができる装置を設計試作し、圃場状態の土の引張強度を測れる機器を開発するとともに、圧縮せん断強度、クーロン定数、貫入抵抗を測定して、土壌の切削特性との関係を調べた。
3.耕うん作業前後の圃場面形状を測定して、作業の自動化や作業精度の向上を図るため、超音波による物体面形状測定の研究を行った。本研究の装置をもちいて、湿った圃場では畝等のおおまかな形状計画が可能と考えられる。
4.耕うん作業の結果を判定するときの最も基本的な要素である砕土状態の計測にはこれまで良い方法がなかったので、画像解析による砕土状態の測定を試みた。2次元画像の解析結果と、開発した3次元画像測定装置による土塊の形状分布および質量分布とを比較して、2次元画像の相当球半径と近似円半径によって、砕土程度を推定できることが分かった。
5.圃場での耕うん性能をリアルタイムで計測、制御するためには遠隔計測および制御が必要である。このためパケット無線通信を用いた遠隔計測制御システムを試作し、一連の圃場試験でその有効性を確認した。
6.ミニマムティレッジ用ブレードの耕うん特性を測定する圃場試験装置を製作し、各種のブレードの抵抗特性を求め、CADなどによるミニマムティレッジ用機械の設計について考察した。
【研究代表者】