アクアポリン4機能と脳リンパ排泄機構に着目したアルツハイマー病発症機構の解明
【研究分野】ブレインサイエンスおよびその関連分野
【研究キーワード】
アルツハイマー病 / 脳アミロイド血管症 / アクアポリン4 / 動物モデル / アミロイドβ / 脳リンパ排泄機構 / 脳神経疾患 / 神経科学 / 遺伝子 / 認知症 / 老化
【研究成果の概要】
アルツハイマー病モデルである5xFADをアクアポリン4ノックアウトマウスと交配することによりアルツハイマー病病態におけるアクアポリン4機能の意義について検討を行った。その結果、アルツハイマー病の典型的な病理像である老人斑の蓄積、その周囲のグリオシスに対しては アクアポリン4機能欠損による影響はほとんどなかったが、20週齢以降アクアポリン4ノックアウトの個体において夜間の活動が徐々に低下するとともにてんかん様の脳波が高頻度で現れ、けいれん発作も見られた。このことから5xFADではアクアポリン4は老人斑の蓄積がある程度進んだ段階で神経毒性のある脳内老廃物の除去に関わると考えられた。
【研究の社会的意義】
アクアポリン4はアルツハイマー病病態において老人斑の周囲にグリアが集積した結果引き起こされる神経炎症に必要であることが予想されるほか、脳内老廃物の除去にも関与する可能性が報告されていた。本研究により、アルツハイマー病モデルマウスのアクアポリン4をノックアウトすることにより、アルツハイマー病病態においてはアクアポリン4は神経炎症には関わらないことが明らかになった一方で、脳内老廃物の除去には深く関わる可能性が強く示唆された。アルツハイマー病とてんかんとの関連も報告されており、アクアポリン4を欠損した5xFADはその治療法開発のためのツールとしても用いることができる。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
新倉 貴子 | 上智大学 | 理工学部 | 准教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】挑戦的研究(萌芽)
【研究期間】2017-06-30 - 2019-03-31
【配分額】6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)