経済実験を用いた高頻度トレーダーに対する規制の研究
【研究キーワード】
高頻度取引 / 実験経済 / 経済実験 / 群衆行動 / 高頻度トレーダー / 規制
【研究成果の概要】
本研究は経済実験を包括的に行うことで株式市場における株価暴落の発生原因を投資家の群衆行動に注目し解明する。特に本研究では高頻度トレーダーが持つ1)information advantage、2)取引speed advantage、3)複数の取引システムの価格情報を一度に観察し最も利益性の高いシステムを選んで取引できるというlocational advantageの3つの規制可能なアドバンテージに注目し、3つのアドバンテージに対する規制の効果を繰り返しの実験を行うことにより数量的に把握し、事前的・事後的にも政策効果の評価が可能な理論モデルを構築する。
しかしながら、以下の「現在までの進捗状況」で述べる理由により本研究が大幅に遅れている。一方で、高頻度取引の経済実験を行う前段階の作業として実際の取引データを使った高頻度取引や株式市場の特徴をまとめた研究を同時に進めている。この実際の取引データの分析は経済実験を行うための必要不可欠な研究であり、個別で行うことができる研究のためコロナウイルス感染を回避できる。その結果、以下の論文をこれまで書き上げ国際雑誌に投稿中、もしくは掲載されたことが主な研究実績である。
1、“High-frequency technical analysis and systemic risk indicators”2、Computational Economics 59, 325-356 3、"Order submission, information asymmetry, and tick size" (with Hongyu Zhu) 4、“Realized volatility and tick size: a market microstructure approach” (with Xijuan Xiao) 5.“Pre-trade transparency in a call market and the spillover effect to a continuous double-auction market” 6.“Institutional herding and a network approach for stock market crashes”なお、論文1は2021年度CEF、日本証券経済研究所、高頻度データコンファレンス、CFEで発表した。
【研究代表者】