高い放射線耐性を持つ動物クマムシの放射線防護メカニズムの解析
【研究分野】放射線・化学物質影響科学
【研究キーワード】
放射線 / クマムシ / DNA / 活性酸素種 / DNA防護 / 酸化ストレス / ゲノム編集 / 耐性 / 放射線耐性 / クロマチン構造 / ゲノム / 細胞周期
【研究成果の概要】
本研究課題では高い放射線耐性を示すクマムシに固有なDNA防護タンパク質Dsupについて、そのDNA防護メカニズムの解明を行った。その結果、Dsupタンパク質が活性酸素種からDNAを防護する活性を持ち、放射線への抵抗性の少なくとも一部は間接作用の遮蔽によることを示唆した。さらに、そのメカニズムはDNA傷害の修復促進ではなくストレス因子からのDNA防護であることを明瞭に示すとともに、それを可能にするDNAやクロマチンへの結合様式を持つことを示し、これまで知られていたものとはまったく異なる新たなDNA保護機構/放射線耐性機構を明らかにした。
【研究の社会的意義】
本研究は地球上の動物の中でも抜きん出て放射線耐性の高いクマムシについて、その独自の放射線耐性タンパク質Dsupの性状・機能を解析することで、これまで知られていなかった新たなDNA保護機構/放射線耐性機構を明らかにしたもので、放射線による生物影響の低減技術の開発につながることが期待される。
【研究代表者】
【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2016-04-01 - 2019-03-31
【配分額】18,200千円 (直接経費: 14,000千円、間接経費: 4,200千円)