培養神経回路網での学習系の確立と,その情報伝達効率変化の可視化システムの開発
【研究分野】神経科学一般
【研究キーワード】
培養神経細胞 / 学習 / 情報伝達効率 / in vitro / ヨーロッパモノアラガイ / 大脳皮質 / 原子間力顕微鏡 / 膜電位光学測定 / 微細構造 / モノアラガイ / 中枢神経系 / 単一細胞 / フォトダイオードアレイ
【研究成果の概要】
1 培養神経細胞系でのin vitro学習系の確立
本年度は,ヨーロッパモノアラガイ中枢神経系から単離した神経細胞,ラット大脳皮質から単離した神経細胞,およびニューロブラストーマ・グリオーマの雑種細胞であるNG108-15細胞を各々用いて,神経ネットワークを作製し,それぞれの系の中の2つの神経細胞に着目して,刺激・記録を行う実験方法を確立した。そして上記の培養方法のうち大脳皮質を用いた場合にのみ,促通現象が得られることが分った。この結果は,大脳皮質の初代培養系がin vitro系での学習モデルとして大いに利用できることを示している。現在は,基板電極上で細胞を培養し,ガラス電極などを挿入することなしに刺激・記録できる方法を模索している。
2 培養神経細胞の3次元極微細構造観察
上記1での培養系のうち,モノアラガイ神経細胞の終末ならびにシナプス部位での無刺激下における自発的な極微細構造の経時変化を,原子間力顕微鏡によって観察することに成功した(研究発表の項を参照)。1で報告したように,次年度に基板培養法が確立すれば,原子間力顕微鏡観察と同時にin vitro学習実験が行えるようになり,まさに学習時の極微細形態変化をリアルタイムで観察出来るようになる。
3 フォトダイオードアレイを用いた単一神経細胞の膜電位光学測定
上記1で示した培養系を,膜電位感受性色素で染色して,単一神経細胞の膜電位測定を試みた。しかし残念ながら今年度はこの点を成功できないで終わった。しかし,染色や顕微鏡回りの各種の最適条件がかなり分かり始めて来ているので,次年度は成功できると確信している。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
講内 毅 | 浜松ホトニクス株式会社 | システム事業部 | 開発研究員 |
榊原 学 | 東海大学 | 開発工学部 | 教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(A)
【研究期間】1996 - 1998
【配分額】1,800千円 (直接経費: 1,800千円)